[特集]台底の種類で選ぶ雪駄
和装時の履物と言えば、やはり雪駄。王道として一足は用意しておきたいものです。雪駄は竹皮表に皮底が本格的なものですが、現代では台表から台底まで様々な素材や色柄の軽装履雪駄が普及しており、装いや用途に合わせて履きこなすのも一興。選択肢が多すぎて迷ってしまった時は、こちらのページをぜひ参考にしてください。
耐水性、耐久性、滑りにくさを求める方におすすめなのが、アメ底やタイヤ底、ウレタン底の雪駄です。実用性を重視しており、場所や天候を選ばず履けるため、日常で重宝します。普段から仕事で雪駄を履く方にも愛用されています。
アメ底の雪駄
飴ゴム底の雪駄は、ゴム底の食い付きが良く、濡れた床でも滑りにくいのが特徴です。
天候を気にせず気軽に日常使いできるから、実用性もグッド。水場で作業をされる方にもお薦めの雪駄です。その上、すり減りにくく丈夫で耐久性に優れています。
台表と台底の間にスポンジが入ってるためクッション性もあり、疲れにくい点も嬉しいポイントです。
タイヤ底の雪駄
台底に車や自転車等のタイヤに使われるゴムを使用した雪駄です。
雨の日、砂利道でも滑りにくく、水場で作業をされる方にもお薦めです。履く場所や天候を選ばず、耐久性にも優れており、実用性にあふれた一足です。
職人さんやお祭りの世界でも重宝されています。
ウレタン底の雪駄
ウレタンは軽量でクッション性に優れ、安全靴などにも使われる滑りにくい素材です。
ウレタンには適度な厚みと硬さ、クッション性があるため、歩く際の衝撃をウレタンが吸収し、疲れにくくなっています。さらに軽量で足取りも軽々。
水にも強く、滑りにくいから、砂利道や雨の日などでも安心です。
手軽に雪駄を愉しみたい方におすすめなのが、ライト底やスポンジ底の雪駄です。サンダル感覚で気軽に履けるから、雪駄初心者の方にも人気。価格もリーズナブルですから、予備の雪駄としてご用意しておく方も多いようです。
ライト底の雪駄
ライト底の雪駄は、厚みがないためクッション性や耐久性は劣るものの、横からの見た目が本皮底の雪駄に近く、お洒落な雪駄です。
お手頃価格もあいまって、サンダル感覚の手軽な雪駄として広く普及しています。
台底が薄い分、非常に軽く動きやすく、かさ張らないので持ち運びにも便利です。
雨天や水周りでの使用には向きません。
スポンジ底の雪駄
クッション性があり、軽くて履きやすいスポンジ底の雪駄です。
厚みのある台底のクッションが足腰への負担を和らげるので、長時間履いても疲れにくく、柔らかな踏み心地で履いていただけます。
フローリングにも優しい素材ですので、室内履きとしても人気です。
「足元を見る」ということわざがあります。昔から足元はその人の人格を見極める重要な要素になっていました。だからでしょうか、お洒落の通ほど、足元に強いこだわりを持って気を配るようです。そんな本格派の方におすすめしたいのが、やはり本皮底の雪駄です。
本皮底の雪駄
台底に本皮を使用した、伝統的かつ本格派の雪駄です。頑丈な牛皮が一般的に用いられます。
合成皮革より耐久性がある本皮は、歩いたときに衝撃を吸収してくれるので、足裏の当たり心地が良くソフトです。
高級感があり、足元のお洒落にこだわりのある方におすすめです。
雨天や水周りでの使用には向きません。
雪駄まめちしき
雪駄とは、草履を改良してできた履物です。
草履は、藁やイ草などの植物で編み、鼻緒をつけたサンダル状のもので、歯がなく底が平らになっています。
雪駄は、草履の裏に皮を貼ったもので、草履よりも湿気が通らず底が痛みにくいのが特徴です。
続きを読む
雪駄の履き方は、カカトを少し出すのが基本です。
1〜3cm程の間で、歩いていてカカトが痛くならない程度に出しましょう。
つま先で鼻緒を引っかけてカカトを多めに出すと粋に、深く履いて控え目に出すと上品な印象になります。
礼装用の雪駄は、畳調に白鼻緒と決まっており、これに白足袋を合わせます(地域によっては、弔事の際に黒鼻緒・黒足袋となる場合があります)。
白い鼻緒は「白星」の意味もあるそうで、縁起かつぎにもどうぞ。
人と物の付き合い考 ―― 工夫
二足歩行するヒトと猿は、他の動物と比べ進化の度合いの高さを示しています。とりわけヒトは二足歩行によって正に前足であった「手が空き」、あらゆる道具を作り、生活を豊かにしてきました。その道具の一つに“履き物”があります。
続きを読む
ヒトは進化とともに、素足で歩くことによる怪我の恐怖から履き物を生み出しました。
こうして生まれた履き物は、時代とともに世界各地でさまざまな形に進化してきました。
こんな俗説なことわざがあります。
「京の着倒れ、大阪の食い倒れ、江戸の履き倒れ」
このことわざはなによりも「足許を見て人をさぐる」と言われるように“粋”に価値を見出した江戸人が、ただの歩行の道具であった履き物を、ファッションの域まで昇華させたことの証しです。
江戸時代、庶民の履物は草履、雪駄、下駄などが主でした。
晴天のときは草履に限り、少しでも湿り気があれば雪駄を履き、それ以上となれば下駄、もしくは江戸っ子ならではの尻ッ端折りのはだしになるというのが、江戸の履物の世界でした。
草履、雪駄、下駄、見た目は似ていますが、それぞれの履物は天候の違いにあわせて工夫され、使い分けられていたのです。
今、世界の履き物文化は、その機能性、ファッション性においても進化し続けています。
一つの道具が繰り広げる進化は常に時代のニーズが母胎となっています。
新しい履物が日々登場する中、この古き佳き日本の履物たちが、今も愛され続けているのはご存知の通り。和の履物も今日、古人の知恵を活かしながら、スポンジ底等の新しい素材を取り入れて進化しています。
古きを尋ね得た、新しき和の形を、ぜひお召しください。
11,220円(税込)
作務衣・甚平にぴったり!スペック染めの刺子鼻緒を挿げた日本製黒下駄。
47,300円(税込)
桐生の作務衣職人とリーガルのコラボレーションで生まれた作務衣専用靴。
19,800円(税込)
「法衣や作務衣(和装)に合わせる靴がほしい!」というご住職様のご要望がついに実現!