作務衣の歴史

作務衣の歴史

作務衣の歴史

作務衣

禅門では、掃除や採薪などの日々の業務を「作務(さむ)」と呼ぶそうです。
この時に着用する作業着を作務衣と称したことが、和服『作務衣』のルーツだと言われています。

今のように上衣とズボンが分けられたのは比較的最近のようで、当初は「長作務衣」という、作務衣の上衣が膝くらいまである衣が一般的だったようです。

お寺様の着られる改良衣をイメージすると良いかも知れませんね。

甚平の歴史

甚平

一方『甚平』は、下町の人々が日常着用する衣服として作られました。

もともと甚平は、戦国時代、下級武士向けの陣羽織を真似てつくられた「雑兵用陣羽織」の意味から、「陣兵羽織」で「甚兵衛羽織」になったとされています。

この甚兵衛羽織を着物に仕立てたものが、「甚兵衛(甚平)」だとか。

作務衣と甚平の違い

作務衣と甚平

『作務衣』と『甚平』は、ルーツも違いますが、見た目も違います。
作務衣は甚平よりも袖や裾の丈が長く、季節を問わず着用されます。一方甚平は、袖や裾が短い為、夏に着用するのが一般的です。

『作務衣』と『甚平』、そのルーツこそ違うものの、機能性に優れた作業服が、さまざまなファッション性を取り込むことで進化しつづける様は、まさに日本産ジーンズとも呼べるでしょう。

作務衣の魅力

作務衣

作務衣には、通常の着物とは異なり、良い意味での自由さがあります。
「こういう場で着なければいけない」「こういう着方をしてはいけない」といった縛りがありません。

「値が高い」という先入観で和服から遠ざかっている若年層にとってもリーズナブル。また素材も多く、四季に合わせて様々な肌触りを愉しむ事ができます。

何よりも、自由にアレンジできる楽しさを通して和服の良さを体感できることが、作務衣の最大の特徴だと言えるでしょう。